2010年代、第二次安倍政権下で愛国を主張する人たちが台頭した。日本は右傾化したのか?1980年代から日本を見続ける外国人ジャーナリストは「否」とする。硫黄島で放置される遺骨、元冷戦パイロットの言葉、天皇のペリリュー島訪問ー様々な取材を通じて見えてきた、日本人の複雑で多層的な愛国心を活写する。(角川書店、2021年)
7年8カ月にわたり続いた第二次安倍政権。この長期政権が続く中で、メディアは権力と対峙する力を徹底的にそぎ落とされた。そのやり方はまさに「アメとムチ」だ。政権に友好的なメディアには首相の独占インタビューや積極的な情報のリークにより、手なづけていく。政権に批判的なメディアには距離を置いて取材を受けず、スクープも与えない。この手法でメディアをコントロールしてきた中心人物が、菅義偉官房長官、その人だった。
批判的なメディアと直線的に対峙していた安倍政権に比べ、菅政権はより巧妙な手でメディアを取り込もうとしている。木で鼻をくくったような回答を繰り返す官房長官会見、総理番記者とのオフレコ懇親会、大手通信社論説副委員長の首相補佐官への登用…… メディア、そして国民は今まで以上に注意深く、権力の動向に注意をはらわなければならない。(2020年)
SNSで誰もが発信し、本物そっくりのディープフェイクや扇動が溢れ、人々が情報のタコツボに陥っている今、真実を見極める力と、「政府の番犬」「ファクトチェッカー」「ゲートキーパー」を担うジャーナリストが不可欠だ。NYタイムズ元東京支局長が、スマホの無料アプリや左右両方の意見を読む方法など誰もが今すぐできる情報収集を手ほどき。また、経営危機からV字回復を遂げた同社にメディア再興のヒントを探る。カギは、早急のデジタル転換とスマホに合わせたニュース発信にアリ。日本の新聞は権力の広告塔をやめて調査報道に注力し、紙信仰を捨てよ!(2020年)
3・11、そして福島第一原発事故を経て、日本人は新聞の限界を知った――。なぜ日本の新聞は国民が知りたい事実を伝えず、「権力者の代弁」ばかりをたれ流すような報道に終始するのか。日本取材歴12年の米国人ジャーナリストが明らかにする「国民総新聞不信」の真実! 新聞は誰のためにあるのか。(2012年)
2012年末に第二次安倍政権が誕生してから早や3年。その間、大きく変わったことが権力とメディアの関係だ。朝日新聞に代表される政権に批判的な大手メディアはなぜ軒並み"大人しく"なったのか。その背景には安倍政権の巧みなメディアコントロールと、ネットによる大転換期に対応できず組織防衛に走る既存メディアの腰砕けぶりがあった――。(2016年)
自由なはずの現代社会で、発言がはばかられるのはなぜなのか。重苦しい空気から軽やかに飛び出した著者たち。社会や組織、友人関係など、さまざまなところを覆う同調圧力から自由になれるヒントが見つかる。(2019年)
権力者たちは、こうしてメディアをコントロールする! ! 「真実」さえ揺らぐ時代、報道の現場でいま何が起こっているのか! ?
既存メディアを「フェイクニュース」、「国家の敵」と激しい批判を続けるトランプ大統領。一方、安倍政権は慰安婦報道をきっかけに、朝日新聞への激しい批判を政権に近いメディアとともに大展開した。なぜいま、このように「メディアへの敵意」をむき出しにした権力者たちが出現してきたのだろうか。また、権力者たちとメディアの闘いの最前線とはどうなっているのだろうか。酷似するトランプ大統領と安倍首相のメディア戦略とはいかなるものか。アメリカで乱立している新メディアとはどのようなものか。またそれが、アメリカ社会にどのような影を落としているのか。日本のメディアが抱える問題点とは何なのか・・・(2018年)
「失われた30年」ばかりか、移民国家化、一強政治、米中新冷戦といった新たな難題・課題が待ち受ける日本。メディアはその国を現す鏡であり、そのあり方がそのまま国の状況を示す。日本滞在歴20年の著者が絶えず言い続けているのが、権力からの圧力に屈する日本のメディアという不思議な存在だ。「本当のこと」が伝えられない構造は、新時代に持ち越される諸問題の根源に潜んでいる。元ニューヨーク・タイムズ東京支局長がタブー抜きで大問題に迫り、ポスト平成への提言までも行う。(2019年)
日本は「普通の国」になるべきだ、という議論がある。普通の国とは、他国のように軍隊を持ち、国際舞台で責任ある行動をする国のことだ。しかし、太平洋戦争終結から71年、「普通でない国」だということが、逆に日本の強みになっている。戦後、平和国家を維持し続けてきたことは世界から評価されているし、あの戦争の教訓から平和を訴え続ける今上天皇は、「日本の良心」とも言える存在だ。経済や文化においても、日本は世界の大国と同じではなく、独自の進化を遂げており、数々のアイデアを持った起業家やすばらしい文化を生み出してきた。前NYタイムズ東京支局長が見抜いた、日本再発見!(2016年)
官房長官会見で記者として当然の質問を重ねることで、なぜか日本の既存メディアから異端視される東京新聞の望月記者。そんな「不思議の国・日本」のメディア状況を、彼女とニューヨーク・タイムズ前東京支局長マーティン・ファクラー記者がタブーなしで語りあう。政権とメディア上層部の度重なる会食や報道自粛の忖度など、問題は山積している。はたしてメディアや記者クラブが守るのは言論の自由か、それとも取材対象の利益か。権力を監視・チェックするジャーナリズム本来の役割と部族化する言論空間の問題点、新メディアの可能性などの展望を示す警世の一冊。
(2018年)
従米・戦争国家へ―。日本はもう後戻りできないのか!?真実を伝えない日本のメディアから安倍外交の脅威、沖縄独立、ジャパン・ハンドラーズまで、国民が知らない不都合な真実を明かす!
(2015年)